言語聴覚士に必要な力:リテラシー

言語聴覚専攻科の説明会に来られた方に「どうやって言語聴覚士を知ったのか」と伺うと、

身近な人が言語聴覚士に関わった

転職を考えたときにリハビリについて調べてSTを知った

信頼する人に勧められた

など色々なきっかけがあるようです。


そこから言語聴覚士について調べようと思ったときに、やはり手がかりになるのはインターネットでの検索になります。


昨今のインターネットには情報が溢れていて、どれが正しい情報か、判断に迷いますね。

ST協会の紹介サイト、ST本人の仕事の本音などの口コミサイト、STを利用された方の感想ブログ、養成校の紹介記事、テレビの特集記事、ユーチューブなどの動画などなど。

またコロナ禍の時世にあって、リアル言語聴覚士を見に行くことが難しくなっています。

錯綜する情報の中からどう、情報を捉え、判断するかは、それぞれの人のメディアリテラシー(情報を取捨選択するスキル)に委ねられます。

言語聴覚士に求められるスキルとしては、特にこのリテラシー(読解・記述力/情報を正しく理解し分析し活用する力)があると思います。


前回の口コミサイトの話と重複するかもしれないですが、

言語聴覚士は「仕事」で、遊びや趣味ではないので、当然苦労や失敗を伴い、大変ではあります。

その技術を直接人に反映させないといけない分、誰がやってもいいとはできないから資格がある、その資格の取得にも苦労を伴います。

人と関わる仕事ですから、コミュニケーション能力も必要ですし、相手にも思いや考えがあり、自分が思うようにばかりもいきません。

収入という報酬に替えた時の対価と比べて『割りに合わない』と思うこともあるかもしれません。

すぐに結果が見えるものでもなくて、成果がつかめず、答えが見えず、役割がわからず、何が面白いのかわからないと思う人も、きっといるでしょう。


私見ですが、この職種に自分自身が興味を持ち、調べたり試行錯誤したりしてその知識や経験を得られることや、人が相手なので人からもらう自分の価値観なども、報酬の一つと捉えたときに、得られる報酬はとても大きい仕事だと思います。

医療技術職、対人援助職のやりがいは、いいこと悪いこと様々な経験値も人生における報酬だと捉えることから生まれてくるような気がします。

(とはいえ生きていく上で、たしかに収入も大事ですけどね。(^_^;))


この仕事の奥深さ、そこと向き合う場は、患者さんとともにあるので、机の上、学校の中ではなかなか教えきれないと感じます。だから言語聴覚士養成には実習があるのだろうと思いますし、卒後の臨床での学びや研鑽が必要になります。

広島都市学園大学言語聴覚専攻科で私たち教員が大事にしていることは、現場で「自ら学び続けられる人」「問いを生み、悩み考えることができる人」を育て、輩出することです。

教員が「臨床の正解を教える」、学生が「答えを本で見つけたり教わってわかった気になる」、ではなく、資格取得をスタートとしてその先の「仕事」の中にやりがいを見つけてほしいと考えます。

私たち教員が教員としてできるのは、その心根の口伝てと、同じ言語聴覚士として、ともに悩み考えていく姿勢を見せる(魅せる)ことなのかもしれません。


私たち言語聴覚士の仕事は、ことばに障害を持ち、ことばにならない思いを持っている人たちに寄り添う仕事です。情報を丁寧に集め、ことばを汲み取り、ことばをつなぐ仕事です。

志す第一歩として、溢れている言語聴覚士についてのメディア情報の中で、この仕事に向き合っている人の姿や捉え方も含めて、メディアリテラシーをもって、「表面的に見えているもの」だけで判断をせず、情報を丁寧に汲み取っていただけたら嬉しいですし、その上でこの仕事をしたいと選んでいただけたら嬉しいなと思います。


口コミサイトなどで発信する言語聴覚士も、メディアを通して自身のリテラシーやコミュニケーションスキルが透けて見えていることを意識して、適切な表現で丁寧に発信することが、言語聴覚士の質の向上や発展に寄与することにもつながると思います。

せっかく持っている資格の価値を自分で貶めるようなことにならないよう、正しく批判する力で言語聴覚士という仕事を発信していけたらいいですね。


情報の確認の手段として、やはり『会って話す』も大事だと思います。

当専攻科は対面での説明会だけでなく、オンラインでの説明会も対応いたしますので、ぜひ、私たちと話してみませんか。

説明会の開催予定は2/19(土)14:00~です。

下記リンクからぜひ、説明会のお申込みや問い合わせ、お待ちしています!

広島都市学園大学 言語聴覚専攻科

広島都市学園大学言語聴覚専攻科は、2018年(平成30年)開学した、言語聴覚士養成校です。 広島市中心部よりアクセスの良い西風新都キャンパスにあります。 大学のホームページとともに、専攻科の魅力を伝えていきたいと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000