言語聴覚士(ST)とは
言語聴覚士(Speech‐language-hearing Therapist:ST)は、医療系国家資格を要するリハビリテーション専門職です。
国家資格化してまだ四半世紀ですが、資格化以前から活躍していた仕事です。
「話す」「聞く」「食べる」を専門とするため、言語聴覚士の領域は「首から上のリハビリ」と言われることが多いです。
コミュニケーションを通して、患者の人生に向き合う仕事になります。
まだまだ知る人ぞ知る、といったところもある言語聴覚士という職業ですが、言語聴覚士については、日本言語聴覚士協会、という、職能団体のホームページにとても詳しく掲載されております。
まずは『言語聴覚士って何?』『どんな仕事?』と興味を持ってくださったら嬉しいです。
言語聴覚士の職域は広く、医療、介護、福祉、教育、保健など様々な分野で活躍が期待されています。
圧倒的にその数が足りていないというのが現状です。
どんなことをしているのかな、どんなところで働けるんだろう。
どうやってなるのかな、試験の合格率ってどのくらいだろう。
自分に向いているかな。
そう思ったら、『めざせST』というサイトをご参照下さい。
実際に様々な領域で働く言語聴覚士の声にふれることができます。
面白そうな仕事だな、資格を取ってやってみたいな。
どこで学べるんだろう、どんな学び方があるんだろう。
言語聴覚士の資格取得までの流れはいくつかありますが、4年制大学を卒業されている方であれば、2年制の指定養成校を修了することが、最短での資格取得になります。
広島都市学園大学 言語聴覚専攻科は、中四国唯一の大卒2年課程の指定養成校。
広島市内、西風新都にあり、交通の利便性も高く、学びやすい環境にあります。
言語聴覚士になるには
言語聴覚士になるには、まず「言語聴覚士国家試験」の受験資格を得る必要があります。
受験資格を得るためには、言語聴覚士養成課程のある大学・短大・専修学校(3~4年制)で必要な単位を履修します。
また、一般の4年制大学を卒業している場合は、指定された大学・大学院の専攻科、あるいは2年制の専修学校を卒業することなどでも受験資格を得ることができます。
広島都市学園大学言語聴覚専攻科は、この大卒2年課程に該当します。
在学中は、基礎医学、臨床医学を始めとする『専門基礎科目』と、高次脳機能障害、嚥下障害、聴覚障害、言語発達障害などの『専門科目』を学ぶほか、医療現場などで『臨床実習』も行います。
2年間で必要な科目を履修し単位を取得することは、タイムスケジュール的にも大変ですが、一般教養科目の履修をすでに大学で修了された方にとっては、言語聴覚士養成に必要な科目のみの履修で良いので、とても効率的だと思います。
これらで必要な履修単位を取得すると、「言語聴覚士国家試験」を受験することができます。
修了時取得資格
履修単位を取得することで言語聴覚士国家試験の受験資格を得ることができます。
国家試験を受験し、合格したら、言語聴覚士免許を取得することができます。
言語聴覚士の活躍の場
【医療機関】大学病院、一般総合病院、クリニック、リハビリテーション病院、訪問リハビリテーションなど
【福祉施設】老人保健施設、療育センター、児童デイサービスなど
【教育機関】特別支援学校
【その他】行政機関、補聴器メーカーなど
国家試験合格率
<全国の傾向>
【引用】マイナビコメディカル セラピストプラスより
<本学の傾向>
2019年度 第22回 国家試験合格率 80.0% (新卒80.0%)
2020年度 第23回 国家試験合格率 81.8% (新卒88.9%、既卒50.0%)
2021年度 第24回 国家試験合格率 90.0% (新卒88.9%、既卒100%)
2022年度 第25回 国家試験合格率 100% (新卒100%、既卒受験なし)
2023年度 第26回 国家試験合格率 100% (新卒100% 既卒受験なし)
全国平均は65~75%前後、リハビリテーション職種の中では低めです。
幅広い知識が求められ、問題の読解力を要する問題が多いからだと思われます。
本学は開学以降、高い合格率を維持しています。
1クラス当たりの人数が少なく、受験者数自体は少ないため、受験した学生のほとんどが合格を手にしていることがわかります。
主な就職先名称一覧
【東京都】イムスリハビリテーションセンター東京葛飾病院
【京都府】シミズ病院
【兵庫県】聖隷淡路病院 ポートアイランド病院
【島根県】国立病院機構浜田医療センター 出雲市立リハビリテーション病院
【広島県】
<広島市>メリィホスピタル 広島県立広島南特別支援学校
広島中央リハビリテーション病院
いでした内科神経内科クリニック 株式会社奏音
五日市記念病院 療育ルームチクちゃんち
太田川病院 安佐医師会病院 メープルヒル病院
たかの橋中央病院 力田病院
<呉市>呉中通病院 マッターホルンリハビリテーション病院
<東広島市>虹の子どもクリニック
<江田島市>島の病院おおたに
<福山市>堀病院
【山口県】鼓ヶ浦医療福祉センター
【佐賀県】佐賀整肢学園子ども発達医療センター
広島県内外の幅広い領域へ羽ばたいています。
フリーランス・開業という選択肢
言語聴覚士は、医師の指示のもとで行う業務もありますが、言語聴覚士法上、言語相談や言語指導、構音指導は医師の指示なく実施が可能です。
そのため、言語聴覚士が国家資格化して20数年たった昨今では、「フリーランス」「開業」して個人事業主として働くSTも増えてきました。
働き方としては、様々な事業所を掛け持ちしたり、自身で相談室を開室したり、児童発達支援事業や放課後等デイサービスの事業所、訪問看護や訪問リハのステーションとして開業したり、他機関のSTや他職種へのコンサルテーションを行ったりと幅広いです。
一般的なリハビリテーションとは違い、業務内容や支援方法は様々ですが、地域生活支援のひとつとして、また働き方改革のひとつとして、少しずつ広がりを見せているように思います。
また、もともと言語聴覚士は医療、教育、福祉、行政、介護など幅広い分野で活躍していることや、大卒2年過程の養成課程があることで、他大学で全く違う領域を専攻してきた人・全く違うはたけからのキャリアチェンジや、公認心理師、介護福祉士などとのダブルライセンスの人が多いことも、他の医療技術職との違いがあります。
もちろん、新卒ですぐに開業というのは難しく、技術の習得やネットワークの構築のために臨床経験を積むことが求められると思いますが、その後の選択肢のひとつにフリーランスで働く言語聴覚士を考えることもできます。
子育てや介護との両立、地域や職域を広げた活動など、働き方や社会の中での活躍の場が広がる可能性がまだまだある職種、それが言語聴覚士ではないかと思います。