言語聴覚士として働く

言語聴覚士の働く場所は、様々。

日本言語聴覚士協会ホームページより

殆どが医療、病院で働いています。

聴覚(人工内耳)などの耳鼻科領域、小児科、リハビリテーション科、内科、整形外科、形成外科、精神科などの幅広い領域で活躍しています。

その主は急性期、回復期、生活期と言われる成人領域の病期に携わるSTが多いかなと思います。


受障後、リハ介入なく回復をしていく患者さんもいれば、なかなか回復の兆しが見えず状況が長く続いている方もいます。


小児領域は主に福祉や教育での介入が多く、小児においては障害を生まれもっている場合が多いので、『治る』という概念ではなく、障害とともに生きていくという思いで支えていく領域、リハビリテーションとはまた観点が違うところもありますが、


共通していると思うのは『わたしたちがSTを過信してはいけない』ということです。


また、STという職種がまだマイナーであること、何ができる人か知られていないことも痛感して、STという仕事を知らせ広めなければならない役割も感じてほしいです。


わたしたちは、わたしたちの働きかけによって、患者となる方々が持っている生きるチカラに少しだけ寄り添っているだけかもしれません。

でもその寄り添い方は、他のリハ職とも、医師や看護師とも違う、「コミュニケーション」「食事」という生きていくチカラの根っこに寄り添えるところが強みだと、私自身は感じています。

もちろん、病院という場はチームなので、自分の領域に関することばかりが仕事になるとは限りません。

病院という職場で言語聴覚士をどう位置づけられるかは、それぞれがこれから造っていくもの、そのくらい言語聴覚士の歴史はまだ浅く、医療においての位置づけがまだ不安定だと思います。


わたしたちが何もしなくても回復していく姿を見たら、喜べばいい。

わたしたちの力なくても回復するそのチカラに生命力を感じたらいい。

何をやっても変化していかない姿を見たら、これ以上悪くなっていないことを喜ぶか、生命力には抗えない無力感も感じたらいい。

これって有資格者がする仕事かな?と思うような、自身の専門と違う仕事をさせられていたら、それだけまだ自身に力がないか、専門性を位置づけられていないということを知って、STの地位向上に尽力したらいい。

またそういう仕事が職場の中の誰かの助けになっている補助的な仕事、誰がやってもいいならば自分が請け負って、病院というチームの一員としての仕事と思えばいい。

自分が何かしらでがんばって、「もっとSTが要る、もっとSTを増やそう」と経営側や社会に思ってもらって、マンパワーが強まること、沢山の仲間を生み出すことにも意義を感じたらいい。


周りをもっと見て、自分の立ち位置をもう一度見つめ直して、そこでできるベストを尽くしているのか、もっと謙虚に『仕事』と向き合う姿勢が持てるといいですね。

STとしてのプライドは持ち続けてもらいたいですが、そのプライドを表に出せるのはそれだけの知識と技術を伴っていかないとと思います。

それは、学生のうちには身につけることは難しく、卒業後、臨床に出てから始まります。

卒業生には現場でたくさんの下積みを経験して、たくさんの技術と視点、ネットワークを築いて、STをもっともっと普及させてほしいなと願う、新米教員なのでした。

(3年目にしてまだ新米と言っていられるかどうかはわかりませんが(汗))

広島都市学園大学 言語聴覚専攻科

広島都市学園大学言語聴覚専攻科は、2018年(平成30年)開学した、言語聴覚士養成校です。 広島市中心部よりアクセスの良い西風新都キャンパスにあります。 大学のホームページとともに、専攻科の魅力を伝えていきたいと思います。

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